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2020-08-07

畦を歩く

フィリピン・コーディリエラ地方 マウンテン州マリコン村。

このあたりは世界遺産に登録されたバナウェに匹敵するほどの棚田群がみられる地域である。今でもコミュニティの中心に棚田との暮らしがあり、田んぼではカラバオ(水牛)の姿がみられ、伝統的な石積みの棚田が一帯に広がるが、畦道を歩いて散歩していると、すでに放棄されてしまった田んぼや、崩壊寸前の石垣がいくつもみられるようになった。ここ数年の劇的な変化がある一方、それでも今なお残る棚田とともにある伝統的な暮らしと人々の姿がみられる。

ジェフリーの手 よく働いた手

ジェフリーは長年この棚田と変化を見てきた。私たちを招いてくれ、様々な話をしてくれた。後ろにある車はジェフリーが運転手として使った車だ。運転手として稼いだお金で子供を学校に通わせた。 学校ができ、子供たちは教育を受けることができるが、子供たちはだんだん、学校の先生の言うことを聞き、長老の言うことを聞かなくなった。勉強できることが尊敬に値するからだ。昔は畔を通っている老人がいると何も言わなくても若者が飛んでいき荷物を運んだものだ。今は言わないと動かない。儀式も形式的になってしまったと寂しそうに語った。

ジェフリー一家
棚田とコミュニティ
朝散歩をしていたら、カラバオ(水牛)が出迎えてくれた
散歩していた畦道は、こどもたちの通学路だった
これからカラバオとともに一仕事
ここでは畦道が立派な「道」
犬もこの道を使う
子供たちが通う小学校の教室の下足
校庭で遊ぶこどもたち
何をしてもたのしくて仕方がない様子
凛とした表情の犬

(撮影:直井保彦、2019年2月)

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